やっちの覚醒

雑記ブログです。

『her/世界でひとつの彼女』

映画オタクの友人に勧められた。友人曰くスパイク・ジョーンズの『her』はスパイク・ジョーンズの熟成を感じるぐらいスパイク・ジョーンズ感すごかったしおすすめ」(スパイク・ジョーンズ言いたいだけやろ…)らしいが、熟成もなにも私はスパイク・ジョーンズ作品と言えば『かいじゅうたちのいるところ』しか観たことがなかった。しかも内容はあまり記憶にないって言うか何度見てもなぜか途中で寝てしまうので諦めた。

さらにスパイク・ジョーンズやと『アダプテーション』『ヒューマン・ネイチュア』『マルコヴィッチの穴』はおさえといて欲しいかも」(ドヤ感が半端ない)と。ここまで語られるともはや面倒くさい。直接言うと確実にキレられるので「了解」と答え、とりあえず『her』だけ観てみることにした。

ジャケット見てもあまり好き系ではないし、『世界でひとつの彼女』ってサブタイトルが何かアレ。借りてきた事を友人に伝えると、返ってきた言葉がこれだった。
スカーレット・ヨハンソンがめっちゃいい。しょーもない映画でもスカーレット・ヨハンソンの声が聞けただけで満足できるから。」

あれだけ勧めといてしょーもないんかい!!!


※以下ネタバレあります

正直あまり期待していなかったけれど、結構面白かった。
人間の主人公セオドアと人工知能型のOSであるサマンサの恋愛を描いた物語。声のみの出演とは言え、スカーレット・ヨハンソン(サマンサ役)がかなり魅力的だった。ホアキン・フェニックス(セオドア役)は役のせいだと思うけれど、ちょっと気持ち悪かった。たぶん眼鏡とヒゲのせいもある。

映画の舞台は近未来だけど、現実よりも非現実的なものに癒しを求めると言う点では現在でもよくある話だし、実際こういう世界になりつつあるんじゃないかなと思った。暇つぶしにiPhoneのSiriに話し掛けていたのが、いつの間にか恋しちゃってました、みたいな人も広い世の中にはいるかもしれない。まぁ、サマンサはSiriとは比べものにならないくらい進化してるんだけれど。

個人的に一番好きだった人物はセオドアの友人、エイミー。セオドアがOSに恋してることを打ち明けた時も、ドン引きしたりせず「恋ってクレイジーなものよ」って言ってくれるし。「一体僕は何がしたいんだ?自分がわからない」と落ち込んでるセオドアにはエイミーなりの人生観を語って励ましてくれる。お互い思っているだろうけど、良い友達だ。


コメディ要素が多いのも良かった。
セオドアが自宅でやってたゲームのキャラが憎たらしいのに何故か可愛くて、何回も巻き戻してしまった。
あとソフトのアップデート中のため、一時的にサマンサの返答がなかった時のセオドアの取り乱しっぷりには笑った。あえての演出なのか、焦り過ぎて思いっきり転けて、周りの人達が心配して声掛けてくれてるのに、完全無視て!!余裕なさすぎでしょ!!


終始セオドアに振り回されつつも、全体的に印象的な台詞が多くて、最後まで観れた感じ。でも終わり方は、私にはよくわからなかった。サマンサに「こんな風に愛したのは君だけだ」とか言って別れた後の、元妻キャサリンへの手紙も胡散臭いと言うか、都合良すぎでは?と思ったけど、まぁ人間てそうゆうとこあるよな…。失ってから本当の大事さに気付くし、綺麗事並べて良い思い出にしたがるみたいな。

エイミーが言ってた「人生は短いわ。だから生きてるうちに謳歌しなきゃ…喜びを」「“知るか”よ」で何だか全部落ち着いた気がする。いろいろと上手くいかない時はいっそ開き直っちゃえ、と。

なんだかんだで、スパイク・ジョーンズの他の作品もまた観てみようと思える作品でした。


ちなみに、日本語吹替版でのサマンサ役は林原めぐみさん。気になったので観てみたけれど、これはこれで良い。エヴァ綾波レイとか名探偵コナン灰原哀の時のようなクールな声だけじゃなく、可愛い声や色っぽい声も聞けるのでファンの方にはおすすめです。